『宇宙の戦士』(Starship Troopers)は、アメリカのSF作家ロバート・A・ハインラインによる、
宇宙戦争をテーマとしたSF小説(1959年発表)です。
この作品中に登場する「機動歩兵」と呼ばれる兵士の着用する、「装甲を施した宇宙服型ロボット兵器」という概念のパワードスーツ(強化防護服)のアイデアはその後、多くのSF作品で類型の兵器を生む源流となりました。
特に、日本においてはハヤカワ文庫版(1977年)の挿絵に登場するスタジオぬえの宮武一貴デザイン、加藤直之画によるイラストが『機動戦士ガンダム』をはじめSFアニメのメカニックデザインに多大な影響を与えたのは有名な話です。
今回はそんな機動歩兵=パワードスーツの模型を使って写真を撮ってみます。
前述のハヤカワ文庫の表紙イラストには、途中に映画『スターシップトルーパーズ』版をはさみ新旧2種類のイラストがあります。
今回は後期(現行)イラスト版の撮影をしてみることにします。
イラストのシチュエーションは、戦いが終わって壊れたスーツを残し、敵の攻撃の中、着陸用小型宇宙船が噴煙を残して上昇していくといった感じのようです。
使用する模型は7年程前に発売されたウエーブ製1/12『機動歩兵』のインジェクションプラモデルです。
組み立て、基本塗装、そして汚し塗装を施しこれが現実にあるかのようにリアリティをもたせておきます。
次に撮影セット作り。
まず、黒い背景を用意して、下に砂を敷きイラストの舞台であるどこかの惑星の砂漠をつくります。
このとき、これが1/12の世界であるということを意識して写真に写ったときに大きすぎない粒子の砂を選ぶようにします。
次に、倒れた機動歩兵の周り(後方)にかかる靄のような煙をドライアイスを使って再現します。
模型作りでは昔ながらの手法ですが、地上から飛び立つ宇宙船の噴煙は脱脂綿を使って作ります。
その脱脂綿で出来た柱に後ろからオレンジの光をあてるとこんな具合。
フィルムの頃ならこれをしっかりレイアウトしていい具合の煙ができるまで何度もトライ&エラーを繰り返してましたが、
デジタル時代の今は、それぞれ個別に撮影したものをPCで描いたレーザー光線,宇宙船とともにPhotoshopで統合してやります。
ほんのお遊びの撮影ですが、イラストともCGとも違う、ミニチュアを使った旧き良き特撮写真も独特のリアリティがあっていいものですよ。